シリーズ『人生100年、名医を目指せ』エピソード1
皆さんこんにちは。今回はサボらずに[コラム] に舞い戻ってきましたよ。本当は2週間に1回くらい書きたいな、が理想です。(サボらないようにする暗示です)
私が眼科医になって20年以上が過ぎますが、治療がうまくいった患者様に「よく見えるようになったよ、ありがとうね」と言われると、研修医時代も今も変わらず同じくらい嬉しい気持ちになります。若い頃と同じような熱意を抱ける仕事を得て、前向きに熱意を持ち続けられるよう育ててくれた両親に感謝するとともに、病気で苦しむ患者様にも前向きになってもらえるような診療を常々心がけないとな、と戒める日々です。
今回のコラムはそんな私が、そりゃもう最高級の贈り物を患者様からいただいた、というお話です。
その患者様は私が白内障手術をさせていただいたのですが、最初に三愛眼科に来られた時から、かなりくだけた冗談を言い合えるようなとても明るい方でした。もう定年を過ぎておられるものの、音楽を趣味にされ今も精力的に活動しておられます。確かに手術をして視力もちゃんと出て喜んではおられました。それはそれで私もいつも通り嬉しかったのですが、手術が終わってそろそろ1ヶ月になろうかという先日、その患者様から(写真1)のような額を頂戴しました。
(写真1)
『琉歌』というそうです。恥ずかしながら島ナイチャーな私は『琉歌』なるものを知らず、早速Googleで調べさせていただきました。『八、八、八、六』音で構成される琉球独自の歌だそうで、なるほど確かにそうなっております。
『先生に手術してもらったら、視界が晴れて、人の情けまでもよく見えるようになった』という意味だよ、これ本当の気持ち、と教えてもらって脳天に稲妻、嬉しくて泣きそうになりました。僭越ながら本当の医者っていうのは、病気を治すだけじゃなくクリニックを出る頃には『よし、今日も頑張ろう』と患者様が思えるような診療ができて一人前と思ってきましたが、今日だけではなく生き方、生き様まで変化させることがあるんだ、ということをこの患者様を通して知りました、いや知ってしまいました・・・
治療をして患者様の生き方まで変えてしまう・・・医者としてそんな領域を目指さないといけないのかぁ、きっと神様の領域ですよね、それって果てしなくないですか。私の人生も100年あるなら、どこかで到達できますかねぇ・・・自分の体重もちゃんと管理できないのに。とにかく頑張りますので皆さんも応援よろしくお願いします。
この素晴らしい『琉歌』の額、目立つところに飾ると約束したので、(写真2)のように当院待合に堂々と掛けさせていただきました。皆さん、三愛眼科に来られた際には是非ご覧になって、少し元気を分けてもらって下さいませ。
(写真2)
三愛眼科院長
樫本大作